ジャズを始めるということ
有給消化期間に入りましたが雨と寒さで少しブルーな海神です。
さて、この前の日曜日に私は初めてのジャズセッションというものに参加をさせて頂きました。友人よりtwitter経由でご案内頂いたこちらの会。
初心者向けとあるのをいいことに、今まで吹奏楽とオーケストラでしか演奏経験の無い私でも…と参加した次第。今回の参加者の中にも、私と同じように初セッションという方が数名おられて親近感。
しかし実際セッションが始まると、初心者のはずの方も皆サラリとアドリブを吹かれていて驚き。私は本当に生まれて初めてのアドリブだったので、緊張してしまい思ったようには吹けず…。途中心折れかけながらも、運営の皆様や経験者の方に助けられ、最後には気持ち良く終えることができました。
しかし、初めてセッションの場に飛び込んでみて感じたのは、いわゆる「吹奏楽上がり」にとってのジャズの敷居の高さでした。(この言葉にも賛否あるでしょうが、吹奏楽で楽器を始めて以降ジャズを演奏した経験が無い人という意味合いで使っていきます)
まず私は、中学で吹奏楽・大学でオーケストラを始めて以降ずっとその手の団体でのみ演奏を続けてきた、典型的な「吹奏楽上がり」の人間です。ここ2~3年でジャズやボサノヴァへの興味が強くなってきましたが、基本的には聞き専。学内の音楽団体(ビッグバンドやジャズ研等)でジャズを経験せずに来てしまった…多分、同じような境遇の方って結構おられるのではないでしょうか。今回はそんな私の視点から、「吹奏楽上がり」がジャズに触れて感じたことを書き綴ってみようと思います。
1.ジャズのお作法
アドリブよりもまず初心者として知りたいのがこれ。ジャズのメジャーナンバーや奏法、コードやスケール等の用語、セッションのルール等々…。ジャズ界では自明のことでも、そうでない人には全く未知の世界だったりします(これはオケをやっている私自身とそうでない人との関係でも言えること)。出典に諸説ある「型があるから型破り・型がなければ形無し」という言葉もありますが、新しい世界に飛び込むに当たり基本の型は身につけておきたいものですし、続けていく上ではそれが大事だなと感じます。
セッションのルールは今回主催さんからご説明頂きましたが、その場その場での判断が求められるのは「目の前に置かれた譜面をその流れ通りに演奏する予定調和」に慣れてしまっている身としては新鮮そのもの。メジャーナンバーはこの日の為に注文した"黒本"こと「ジャズ・スタンダード・バイブル」で勉強していきます。
ジャズ・スタンダード・バイブル ~セッションに役立つ不朽の227曲 (CD付き)
- 作者: 納浩一
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2010/11/15
- メディア: 楽譜
- 購入: 7人 クリック: 63回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
奏法は自分で実際にやりながら覚えていくしか無い所はありますが、クラシカルな奏法とは分けて語られることの多いポピュラー奏法。教えを請いたい所ではあり。
そして一番の壁と感じたのが用語。私の楽典の知識、高校の音楽の授業で止まってしまっているので…。「一応授業で触れた」という範囲だと、いわゆる"黄色い楽典"の5章前半位まででしょうか。TLで有識者の方々がよく話しておられる旋法やコード進行についてはさっぱり。こればかりはそもそもの知識が無いと始まらない所がかなりありそうなので、要勉強です。
- 作者: 石桁真礼生,末吉保雄,丸田昭三,飯田隆,金光威和雄,飯沼信義
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 1998/12/10
- メディア: 単行本
- 購入: 13人 クリック: 90回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
↑が終わったら、この辺の理論書にも挑戦したい。
- 作者: Mark Levine,愛川篤人
- 出版社/メーカー: エー・ティ・エヌ
- 発売日: 2005/01/14
- メディア: 楽譜
- 購入: 4人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
2.演奏技術
吹奏楽やオケでも技術が求められるのは同じことですが、ジャズはその色が特に強いと感じました。その理由は何と言ってもアドリブ。「即座に、且つ自分が思った通りに楽器をコントロールすること」に於いては、今までより一段上を要求されていると思います。アドリブこそ、習うより慣れよの世界という印象が強い。しかし、吹いて経験を積みたいけれどもド素人故に自信が無いというジレンマを抱え中の私。幸い、初心者向けのセッション開催情報をご案内頂いたので、来週はそちらに参加する予定。純粋に技術という面では、普段の活動フィールドでも磨くチャンスは幾らでもあるので無限に練習していきたい構え。
↓慣れてきたらこの辺も見ていきたい。
Charlie Parker Omnibook: For C Instruments. (Treble Clef Version)
- 作者: Charlie Parker,Jamey Aebersold
- 出版社/メーカー: Criterion Music Corp
- 発売日: 1982/06/01
- メディア: Plastic Comb
- この商品を含むブログを見る
3.ジャズを続ける
私の中では今回のセッションで、今年の目標でもあった「20代の内にジャズを始める」こと自体はできたのですが、実際はこれで目標達成とは思っていません。まだ一度やったに過ぎない訳で、セッションへの定期参加なりビッグバンドへの所属なり、「続ける」ことができて初めて目標達成だと考えています。
アニメ「アイカツ!」125話で「あたし達の今の大きな夢ってのは、ソレイユ(劇中で主人公達が結成したアイドルユニット)を続けることだ」という名言があります。何事もまず始めるだけなら(人によりますが)楽かも知れません。しかし、一度始めたことをずっと続けていくのはもっともっと大変です。私は今、吹奏楽とオケで4~6年ほど常設団体への所属がありますが、これも「入れる団体があった」「学校や職場といった環境が変わってもスケジュールが合い続ける」、そして何より「そこで演る音楽が好きでい続けられた」という奇跡が重なった故のこと。ジャズ方面でもそういったイベントや団体に巡り合いたいと思います。
余談ですが、吹奏楽・オケ方面に長く身を置いていると、同じ系統の団体の情報はたくさん入ってくるのですが、別ジャンルの団体情報って思っている以上に入って来なかったり。「(地域名) ビッグバンド」とかで検索してもホームページが古くて更新が止まっていることが多く。文化の違いなのでしょうか…検証班求ム。
…と言った具合のことをセッション後の夜にtwitterで呟いていると、主にNNSBでご一緒した有識者の方々からアドバイスや励ましのお言葉を頂戴しまして。何やらレクチャー開催の噂も。教えて下さる方が身近におられるのはとてもありがたいですし、もし自分がオケ未経験の友人から「オケ始めてみたいんだけど実際どうなの?」という旨の相談を受けた際も、同じように暖かく迎え入れることができればと思います。ジャンルが違っても同じ音楽をやっている者同士、排斥し合うのって凄く勿体無いと思うんですよね。せっかく自発的に興味を持てたことなので、挫折せず長く続けていきたいなと思います。
(超初心者向け、「入門一歩手前」的なレクチャー、需要ありますってきっと)
「一度きりの人生 楽しむべきだよね絶対」
愛媛が生んだアニソン女王・水樹奈々さんの楽曲「NEW SENSATION」の一節を最後に添えて。