金管箱推シノススメ

一発オケ系金管箱推し奏者「海神」です。楽器のことや編曲のこと等つらつらと。

試奏記 〜S.E.Shires バストロンボーン Q36〜

近頃急に冷えたせいで衣替えが間に合っていない海神です。

さて、本日は午前中に「劇場版Fate/stay night Heaven's Feel」を観賞。夕方のオケ練習まで少し時間があったので、アメリカントロンボーンフェアを絶賛開催中のジョイブラス様で注目の品を吹かせて頂きました。

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S.E.Shires バストロンボーン Q36。コスパの良さが話題のQシリーズのバストロです。パーツは自社製作、組み立てを外注することで(Shiresにしては)低価格を実現したモデル。ymrさん曰く、早速1台嫁いで行ったとか。そんな話題の逸品が運良くゴールドブラスベル(左)・イエローブラスベル(右)両方とも在庫していたので、2台試奏させて頂くことに。

 

両方に共通して感じた良い点は、中音域の鳴りの良さと音の厚み。バストロで特に難しい(とテナー吹き的に思う)チューニングB付近でも音が散らず、吹き込んでも嫌な割れ方を起こさない。かと言って吹奏感がキツい訳でもなく、適度な抵抗感があります。どの音域・音量でも音に厚みがあり、特にpの何でも包み込んでくれる雰囲気が良かった。尚、マウスパイプは狭〜中間〜広の3本付属。

 

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ゴールドとイエローでは、自分はイエローの方が好みでした。イエローはレスポンスの良さが際立ち、音色作りがとてもし易い。思い通りに吹ける感じ。ゴールドは音色の柔らかさこそ良いものでしたが、音を出す時に1枚幕がかかっているような感覚が拭えず。

 

また、手持ちのCONN 112Hと比べて思うのは、112Hは抵抗感が少ないので軽い吹き方を求められる分にはとても楽だということ。しかし、パワーを求められる場面や中音域では音の散りが目立ったりオーバーブロウがちになる。これらのことや左手の持ちにくさを考えると、112Hって体格の大きい人向けなのかも知れません(勿論、テナー本職として使いこなしきれていない所も多分にあるでしょうが)。楽器側に付き合える位の抵抗感があった方が演奏の幅が広がるように思った次第。

…と、こんな具合にQ36黄ベルはいいぞ的な感想を書き綴ってきましたが、財が確保できれば真剣に検討したい楽器です(財の確保ないし回収は後からでもいいとの声が内外から聞こえてきそうですが)。新品定価で53万。ちょっぴり…本気だ。

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彫刻も。

テナートロンボーンのロータリーに関する一考察

海神です。大学のOBオーケストラでの大きな本番が終わり、今年も残す所あと本番3件となりました。11月半ばを過ぎれば本格的に落ち着く…もとい、ホーム楽団以外は予定が無く、土日がスッカラカンになります。何かください()

 

さて今回は、テナートロンボーンのロータリーについて思ったことを書き綴りたいと思います。このタイトルを見ると、「どの種類のロータリーがオススメか」的な内容が頭に浮かぶ方もおられるのではないでしょうか。トラディショナル、セイヤー(アキシャルフロー)、ハグマン、ロタックス、トゥルーボア、CL、V等々…いろいろな種類が流通していますね。

ですが、今回はこんな切り口でロータリーについて考えてみるつもりです。

 

「テナートロンボーンのロータリーで通るのは必ずF管でなければならないのか?」

 

この夏はバストロの出動機会が多く、またテナーで吹く曲も調号の多い曲でした。バストロを吹いていると勿論Ges管を使うこともあり、5ポジションの音を1ポジションで取れるのはとても便利だと実感。バストロだと動きが楽なのに…とテナーの曲で思うこともしばしば。そんなことを思った私が言いたいのは、

 

「F管ではなく、Ges管付きテナートロンボーンがあってもいいんじゃないか?」

 

F管なら1ポジションで取るCはGes管の2ポジションでも取れますし、テナーでlowC近辺の音域を使うことはそうそう無いので割り切ってしまうのもアリ。スライドワークは楽になり、GesだとB←→Fの切り替え時ほど音の明るさ・暗さが大きくは変わらないので支障は無いという考えです。F管だったバストロをそのままテナーに合体させるという発想は確かにわかり易いですが、色々な曲への対応力を考えるとGes管の方が合理的な気がしております。だって最近のアニソンってGes Dur多いんだもん。

 

工房で改造をお願いすればできるとは思いますが、メイン機の88Hを人柱にするのは少し躊躇われる…。余裕ができたら中古の安物で試してみたい気持ちはありますね。或いは某大陸辺りで製造していないだろうか。

金管箱推シノススメ ~その1:略歴~

お久し振りです。本業が立て込んだ中で転職活動も並行して進めていたら更新が滞ってしまいました…。その辺は落ち着いたらまた別途記事にします。

 

さて、今回はいよいよブログのタイトルである「金管推し」について切り込んでいく記事にしてみようかと思っています。そもそも「推し」とは、アイドルグループのメンバー全員が好きという意味のドルオタ用語。それに準えて、金管楽器は何でも好きで色々吹く私こと海神が、金管楽器の持ち替えについて所感を語ってみようというシリーズになります。初回の今回は、いつから・なぜ私が「金管推し」になったのか+現状をつらつらと書いてみます。

 

中学で吹奏楽部に入部し、人数不足&指を使う楽器は無理ではとの思いからトロンボーンを始めた私。同期に木管推しとも言えるマルチプレイヤーがいたり、別の同期がトロンボーンからテューバに移動したりしたこともあり、「金管も色々吹けないものかねぇ」と思ったのが恐らく最初のきっかけでした。当時はユーフォニアム以外まともに音すら出せませんでしたが、ユーフォニアムも面白いなと感じました。合奏でユーフォパートを後ろから盗み見ながらピストンとスライドの対応関係を覚えて、独学で運指を習得。大学卒業までは楽器購入費が工面できない都合もありトロンボーン一筋でしたが、いつかユーフォにチャレンジしたいという思いは持ち続けていました。

 

時は大学卒業の年。卒後は地域のアマオケに入りたいと思っていましたが、トロンボーンはどこも満杯ということで吹奏楽団も視野に入れることに。ちょうど良いタイミングで中古のユーフォニアム(YEP-321S)が出たこともあり、意を決し少しずつ貯めていた貯金をはたいて購入。かくして、地元の吹奏楽団でユーフォ吹きとしてのキャリアをスタートすることと相成りました(楽器所有していれば歴不問だったので入れました)。

 

その後は、いわゆる「一発系」「企画系」の活動にも参入する中で、サブ楽器として何種類もの楽器を持っている方が多数いることに衝撃を受け、ますます他の楽器へのチャレンジ欲を強くします。中古楽器のチェックやヤフオクを覚えてしまったのが運のツキ。安価な入門モデルを中心に上はトランペットから下はテューバまで揃ってしまいました。現時点で本番での使用経験があるのは、トロンボーン(細管・太管ともに)、バストロンボーン、ユーフォニアムテューバ。自分の好みもあってか、どうにも(音が)低きに流れるようで。トランペット等はまだまだ実用には遠いのが正直な所。

 

今回はこんな具合で、私こと海神の「金管推し」奏者としての略歴を書かせて頂きました。次回からは、トロンボーン吹きから見た他楽器との持ち替えに関する所感を綴っていきますので、余り期待しないで待っていて下さい。

twitterで次回の更新通知を見てしまった人は、閲覧数を提供するボランティアをしに来て頂きたく。

ヒゲ脱毛体験記 〜2回目〜

海神です。諸々大きなイベントごとのレポ更新が滞っていて申し訳ありません…仕事周りでちょっとバタバタしてました。

 

さて、今日は2ヶ月振りのヒゲ脱毛へ。前回は熱くて散々な思いだったので、今回はどうなることやら…

 

今日の施術担当者さんは前回とは違う方。なんと、前回お伝えしていた筈の表面麻酔が用意できていないそうで早速不安が。「耐えて下さい」ってそんな。

しかし、前回も使ったガス麻酔のコツを教えて頂く。ただ吸うだけでなく吸ったら一旦息を止めて、苦しくなったら吐くようにすれば効き目が上がるとのこと。

施術に入って実践してみると効き目の向上は(体感)僅かのようでしたが、息を止めることに意識を向けたり「ここまで照射されたら息を吐こう」とゲーム感覚になろうとしたりした結果、思いの外耐えられてサクサクと進みました。

 

前回は45分程かかった施術が今回は20分で終了。麻酔のコツ、最初に教えて欲しかった…

28歳最後の日は、悶絶の日という程にはならずに終えられそうです。

太管マウスピース探しの旅 〜 小径編

最近、太管トロンボーンの小さめなマウスピースを探している海神です。所属オケでアルトを使うつもりの曲が、周りのセッティングとのバランスを見てテナーでいくことになったので、色々見て回っています。

先々週の土曜日は、渋谷方面で3本程試奏。
CONN 5CLはHiC以上でもスルリと当たるが、全体的に詰まった感覚。Best Brass 片岡雄三氏モデル(生産終了品)はスロートが太い為か吹き込めるが、音色は細管めいていて面白い。高音域になると多少その太さが災いする局面も。ヤマハ47はどスタンダードながら侮れず。少し窮屈な所はあるが、コントロール感にはムラが無い。

しかし「これだ!」という物には巡り会えなかったので、本日Joybrass様にて友人と待ち合わせがてら色々と出して貰うことに。
まずは太管でJK 8CL、Marcinkiewicz 9BS、willie's RBの3本。RBは自分には音がぼやける感じがしたので予選落ち。Marcinkiewiczは少ない息で吹くとメロウで良い音だが、その軽さもあってか少しでも力みが出ると詰まって鳴らなくなってしまう。JKはその点で「逃げ」があり、多少の力みは受け止めてくれて芯のある音。
私的・太管の中での順位は①JK→②Marcinkiewicz→③RB。どれも太管用という設計上スロート径はそこそこあり、細管に近い感じではありませんでした。

そこで、ちょうど細→太管用のアダプタを持っていたので、mykwさんにお願いして細管7Cサイズを出して貰うことにしました。アダプタ付だと音のキレが…という話もありますが、物は試しということで。

 

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吹いたのは、Bach、Bach Artisan、Tilz、willie's、Shiresの各7Cと、JK 9F。ノーマルBachは音がガサガサして吹き込めなかったので予選落ち。JKやShiresもそれに近い感じ。willie'sは少しスロートが太いのか?嫌な抵抗感がやや少なめ。Artisanは6-1/2を吹き慣れているせいかコントロールも容易。何より驚いたのがTilz。息がスルスル入っていくしHiC以上でも音が痩せず、一番イメージ通りに吹くことができました。友人からも「Tilzと比べてBachとかはニワトリの首を絞めたような音」と比較時のコメントを頂きました。
当初の不安は何処へやら、アダプタ付きでも自分は余り違和感がありませんでした。細管の中での順位は①Tilz→②Artisan→③willie's→④JK→⑤Shires→⑥Bach。TilzもArtisanもBachベースの筈なのに、全然吹き心地が違ってびっくり。今日時点では保留したけど、アダプタの方向で検討かしら。

試奏記 〜 C.G.CONN 88Hセイヤー & マウントバーノンBach 45B 〜

あいも変わらず試奏記ですみませんw

土日連続でまたまた「ジョイブラス」様へ。先日のメンテナンス講座で貰った割引券の特典「7月中に3回お買い物をするとスライド調整無料券」を無事にゲットしました。どうやら私が第2号のようで。必要なオイル類も揃いました。

 

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さて、せっかく立ち寄ったのでと2台試奏をさせて頂きました。Conn88Hのセイヤーヴァルブとマウントバーノン期のBach45B。珍しい代物が入ってきておりました。
 

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88Hセイヤーは売価20万円台後半。MYKWさん曰く前オーナーはドイツ管が好きな方だったそうで「トロンボーンはノーラッカーでこそ」との持論から意図的にベルのラッカーが剥がされていました。吹いてみると、Connにしてはぶっとい印象。普段吹き慣れないセイヤー+ワイドスライド(因みにバックシャンクでした)ということもあり、特にヴァルブを使うとかなり息を持っていかれました。こういうセッティングするなら別にConnである必然性は無いかなぁという感想でした。好みが分かれる所ですね。
 

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マウントバーノン45Bは売価30万円台後半。全て部品は純正品のままリラッカー済。このリラッカーも施工するメーカー・技術者によって外観にかなり差が出るようで、こちらはとても綺麗でした。肝心の吹き心地は、まず音の表情が付け易いと思いました。キャパシティもffからppまで充分。9インチベルでボアも太いですが、それによるキツさはあまり感じず。88Hセイヤーよりも「息を持っていかれる」感覚は無し。オケの2,3番の他、ジャンル問わず使えそうです。現行Bachはキツくて手放してConnに行き着いた私ですが、ヴィンテージBachは軒並み好印象だったりします。

マウスピース相談会もやっていましたが、先月Monster2Gを購入したばかりなのでまたの機会に。これから友人が多数出演する「ルセッタアミュゼ吹奏楽団」様の演奏会を聴きに行きます。3月に乗ったカービィ吹奏楽の際にメンバーさんからご案内を頂いていて、その時から楽しみにしていました(見学行けずすみません!来シーズンこそは)。総武快速に乗って向かいましょうか。

試奏記2 〜 C.G.CONN 100H 2色 〜

1の続き。夜のオケ練習に行く前に新大久保の「DAC」様へ立ち寄り。中古の細管テナートロンボーン・C.G.CONN 100Hが2台あると聞いていたので、それらを試奏させて頂きました。

 

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こちらが出て来た2台。同じモデルなのに"顔"が違う。かたや赤ベルで持ち手も普通の形。かたや黄ベルで持ち手が丸くなっている。製造年代の違いでしょうか。マウスパイプは3タイプ交換式。期待に胸を膨らませ、いざ試奏。

 

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まずは赤ベル。材質のせいか88Hに近いふくよかな音色でありつつ、細管らしい張りも併せ持つ。CONNらしい吹き易さは勿論のこと。良く言えばジャンルを選ばない。悪く言えば太管との差が少ない。

 

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続けて黄ベル。赤ベルに比べて明るい音色が目立つ。コントロールがとても楽で、自分が頭の中で歌った通りに音が出る感じ。ハイトーンもこちらの方が当たり易い。好きなアニソンのブラスセクションのフレーズをパラパラと吹いてつい遊んでしまいました(M@STERPIECEとか、ハローニューワールドとか)。より細管的な印象の強い楽器。私はこっちの方が好きでした。

同じモデルで色違い。2本並べて吹くと、ベル材質の違いがよくわかりますね。112Hの時のように長居して吹いてしまったのですが、流石に"ご軽率"は踏みとどまり。いや、黄ベルはお値段5桁なので欲しいなと思ったんですが、流石に手持ちのYSL-651と並べて吹き比べないと決められないなということで 今 日 は 見送り。近い内にまた行こうかと。

まぁそれより、細管関係だとBob Reeves 11Cが早く欲しいなーというのは実際ありますがね。